11月から12月にかけて、インフルエンザ感染が広がっています。まだまだ感染対策に気を抜くわけにはいきません。
今月は毎年の恒例行事でもあります年末調整について説明させて頂きます。
ここ数年の税制改正により、年末調整の手続きは煩雑になっています。
令和7年6月号でも触れさせて頂きましたが、令和7年度の税制改正は、基礎控除及び給与所得控除の見直しにより、長年続いていたいわゆる「年収103万円の壁」が引き上げられました。
1.改正適用はいつから
年末調整に関する令和7年度の税制改正は、令和7年12月1日以後に行う年末調整で適用されることになります。ちなみに、令和7年11月までの給与等の源泉徴収事務は改正前の制度に基づいています。
2.主な改正点
(1)基礎控除
基礎控除額については従来の48万円から58万円に引き上げられ、合計所得金額の区分によって、段階的に最大95万円(58万円、63万円、68万円、88万円、95万円)まで引き上げられました。
例えば、合計所得金額が132万円以下の方は基礎控除額95万円(改正前48万円)となります。 尚、合計所得金額2350万円超の方は改正がなく、従来通りとなり、2500万円超の方は基礎控除額がありません。
(2)給与所得控除
以下のように、給与所得控除の最低保証額が55万円から65万円に引き上げられました。
■ 給与所得控除
給与の収入金額
【162.5万円以下】
改正前:55万円
令和7年分以後:65万円
【162.5万円超 180万円以下】
改正前:給与収入金額×40%ー10万円
令和7年分以後:65万円
【180万円超 190万円以下】
改正前:給与収入金額×30%ー8万円
令和7年分以後:65万円
給与収入金額190万円超の場合には改正はありません。
(3)103万円の壁 ⇒ 160万円の壁
上記の基礎控除額及び給与所得控除額の引き上げにより、課税最低額(いわゆる壁)が引き上げられました。(給与収入のみの場合)
【給与の収入金額】
改正前:103万円
令和7年分:160万円
【給与所得控除額】
改正前:-55万円
令和7年分:-65万円
【基礎控除額】
改正前:-48万円
令和7年分:-95万円
【差引課税所得】
改正前:0万円
令和7年分:0万円
3.特定親族特別控除の創設
教育費の負担が大きい19歳以上23歳未満(大学生世代)の子どもがいる世帯の税負担を軽減するために創設されました。これにより、控除対象扶養親族としての所得要件(58万円)を超えた場合にも一定の所得控除が受けられる仕組みが導入されました。
特定親族特別控除額は特定親族の合計所得金額により段階的に控除額が決まっています。
例えば 特定親族のアルバイト収入が年間188万円の方であれば、特定親族特別控除額は3万円となり、年間収入が150万円の方であれば、特定親族特別控除額は63万円になります。
★この制度はアルバイト収入などの金額により、段階的に控除額が細かく設定されていますので、子どもさんに年間のアルバイト収入額をきっちりと聞き取って頂く必要があります。
4.同一生計配偶者や扶養親族等の所得要件の見直し
上記で記載しました通り、基礎控除と給与所得控除が引き上げられたことにより、配偶者控除を受けられる配偶者の方や、扶養控除を受けられる扶養親族の方の所得要件が引き上げられました。
配偶者のパート収入が123万円以下なら、38万円の配偶者控除が受けられます
給与収入123万円-給与所得控除65万円=58万円 < 基礎控除額以下
(改正前は103万円以下が目安でしたが・・・)
5.その他
今回の改正は令和7年12月1日以後に行う年末調整で適用しますので、令和7年分の最後の給与を令和7年11月30日以前に支払った場合の年末調整においては、改正後の控除等は適用されませんので、注意が必要です。このような方は、確定申告をされて、改正後の控除等の適用を受ける必要があります。
又、基礎控除額と給与所得控除額が引き上げられた上での年末調整となりますので、多くの方が年調還付となる可能性が高いです。
