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ラベルシールの歴史

ラベルシールの歴史

ありふれた存在として普段は特別に意識することもないラベルシールについて、その語源や発明の歴史についてまとめました。

シールの語源

私たちは、一定の規格サイズの剥離紙に貼り付けられたラベルで、そのままプリンタに通して印刷できる用紙のことを総称して「タックシール」「ラベルシール」とよんでいます。
ほかにも、タック紙、タックラベル、OAラベル、タックフォームなどなど、よび方は様々で必ずしも一様ではありません。どうやって検索されるのかが不明瞭なので、ホームページ担当者泣かせでもあります。

それでは、正しくは何と言えばよいのでしょうか。
また、それぞれの言葉には、どのような意味があるのでしょうか。
普段は考えもしないラベルの歴史と共に、紐解いてみます。

ラベルシール

ラベルについて

まず「ラベル」とは、あるモノの表面に名前や内容物、所有者などの情報を記載したり、図示する「意匠そのもの」のことを言います。
歌手が所属するレコード会社を表す「レーベル」や、ものごとをある属性に決めつけてしまう「レッテル」も同じ語源で、ラベルという言葉そのものには、もともと粘着するとか、貼り付けるという意味はありませんでした。
なお英語の「label」をラベルと書き表すようになったのは1980年代後半のことで、それまでは「レーベル」が一般的であったようです。
洋服についている「タグ」も、昔は「レーベル」と呼ばれていたようですよ。

ラベルについて

シールについて

「シール」は、もともと封印や印章という意味で使われていました。
シールの起源はとても古く、古代エジプト文明にまで遡ることができます。
その頃のシールは粘土で作られていて、文書の署名、証明書などに使われ、権威を象徴するものでした。今でもその名残で、国章は英語でGreat Sealと綴ります。
中世ヨーロッパでは、重要な文書や手紙の封をする際に蝋(ろう)で封印し、それを証明するために印章を押しており、それをシールといいました。
今でもレターセットなどのデザインで見かけますね。

現代の日本では「ラベル」「シール」共に、元来これらの言葉のもつ「象徴」の意味は薄れ、いずれも単に裏に糊のついた紙片の総称になりました。

シールについて

タックについて

さて、ラベル、シールに比べると「タック」は、あまりなじみのない言葉かもしれません。
英語の「tack」には、進路や馬具などいろいろな意味がありますが、主に「画鋲」や「留め具」等を使って物を一時的に留める、という意味で使われます。

ラベルシールを製造する現場においての「タック」とは、粘着力を表す概念です。 ラベルが特定の面にどれだけ強く貼りつくか、すなわち粘着剤の「貼り付く力の程度」を表すために用いられます。

タックが高いラベルは、表面に強く貼り付き、簡単には剥がれません。
逆に、タックが低いラベルは、比較的簡単に剥がすことができるため、一時的な使用や再配置が必要な場面に適しています。

このように「タック」は、ラベルの性質を表すのに重要な要素の一つです。
ラベルを選ぶ際は、使用目的や接着する表面の種類(例えば、紙、金属、プラスチックなど)、環境条件(温度や湿度など)に応じて、適切なタックを持つラベルを選ぶ必要があります。

ところが、数あるラベルシール・タックシールの中でも、このタックを表現する指標は「弱粘着」や「強粘着」等の相対的な言葉でのみ表され、数値などによって一般化されてはいません。
実際問題、貼る側と貼られる側それぞれの特長や場面を想定すれば、これがベスト、という組み合わせは無数に存在します。

オーダーメイドの商品ラベルを作るのなら当然考慮されますが、市販品のラベルであるなら、さしずめ専門家であるメーカーにお任せする領域、といったところでしょうか。

ステッカーについて

ステッカーは「貼り付ける」という動作を指す英語「stick」から派生した言葉であり、その名の通り、物に貼り付けて使うことを目的としています。
意味合いとしてはラベルやシールと同様ですが、過去には自動車や旅行用トランクに貼る旅行記念のステッカーが流行したり、現代でも特定の企業やブランドロゴが印刷されたステッカーをバッグやパソコンに貼るなどの用途が続いていることから、「あらかじめ印刷が施されたラベル」の意味で使われることが多くなっています。

ラベルシールの歴史

日本で最初のシールは、1911年に、東京・四谷の「尚山堂」がドイツからシール印刷機を輸入して製造を始めたことが最初とされています。

これは、時のイギリス国王ジョージ5世の戴冠式にあたって、宮内庁からの贈り物の封緘をするために作った菊の御紋章のシールであり、非常に高価なものでした。
このため、一般的な用途としても百貨店の商品包装の封緘など、ごく限られた用途に留まっていました。
ただし、「シール」という言葉の持つ本来の意味にはまだ忠実であったと言えるかもしれません。

その後、昭和初期には梱包用のクラフト紙でできたガムテープが国産化され、この中からシール印刷用の白色ガムテープが実用化されると、シール印刷が急速に普及していきます。

ラベルシールの歴史

ラベルシールの誕生

タックシール・ラベルシールの歴史を語る上で、アメリカのスタントン・エイブリイ氏の功績は外せません。彼は、1935年に世界初のラベルシールの発明者となり、現代のラベル産業の基礎を築きました。

当時、ラベルの多くはまだブラシを使って糊を紙片に手作業で貼り付けるものであり、非常に作業効率が悪かったのです。
エイブリイ氏は、これを解決するため、あらかじめ紙の裏面に粘着剤を塗られた「粘着ラベル」、今日のラベルシールのアイデアを思いつきました。

最初の粘着ラベルは、手動の機械を使って製造されました。
この機械は紙の裏面に粘着剤を塗布し、それを特別な剥離紙(セパレーター)に貼り付ける仕組みでした。
今となっては当たり前の、しかし当時としては革新的な粘着ラベルの発明は、ラベル貼りの仕事を大きく効率化しました。

彼が創業した会社「エイブリー・アドヒージブ・ラベル・カンパニー」(後のエイブリー・デニソン)は、粘着ラベルの大量生産を開始し、その後事業は多角化したものの、直近では年商1兆円近い大企業へと育ちました。
日本では既にコンシューマ向け市場からは撤退していますが、一時期「エイブリィマクセル」ブランドでラベルシールを展開していました。

ラベルシールの誕生

米国エイブリィデニソン社のホームページより
https://www.averydennison.com/en/home/about-us/our_history.html

日本におけるラベルシールの普及

誰でもどこでも、水を使わずに剥離紙を剥がすだけで簡単に貼れるという、粘着ラベルのコンセプトは瞬く間に脚光を浴びました。
戦争の影響もあってエイブリィの発明から少し間が空きますが、日本でも1960年代には粘着ラベルが実用化され、国産のシール印刷機も続々と開発されていきます。

日本初の粘着ラベルの用途は富士フィルムの缶の封緘用だったようですが、それまで主流だったガムテープ式に比べると作業の能率が良く、好評だったようです。
その後、NHKの受信契約章に採用され、その利便性が広く知られるようになると、ガムテープから粘着ラベルへの流れは決定的になりました。

初代NHK受信契約章ラベル

初代NHK受信契約章ラベル

やがて、日本のオフィスにコンピュータが導入されると、エーワンやヒサゴといった紙製品メーカーがプリンタ用のタックフォームや規格サイズのタックシール・ラベルシールを開発し、急速に普及していきました。
専用のラベル印刷機や高価なカッティングの機械がなくとも、手軽かつ安価にラベルが作れるようになったのは1990年代に入ってからです。
家庭用プリンタの性能が上がり、高度なグラフィックソフトが一般の方でも容易に使えるようになることで、誰もが思うままにラベルを作れる世の中に、ようやく到達したのです。

当社が取り扱っているタックシール・ラベルシールも、このOA機器用ラベル用紙の譜によって産まれ、進化してきた製品です。

高価で貴重だったラベルを、誰でも手軽に作れる時代に

ラベルの歴史は長く、当初は限られた人や限られた場面でしか使うことができない貴重なものでした。
一方、近年ではパソコンやプリンタの普及で、誰でも思うままにラベルを作ることができる環境が整いました。
ラベルは私たちの日常の中で、すっかりありふれた存在になりましたが、そうなるまでには長い時間を要してきました。
先人の知恵や工夫に思いをはせつつ、私たちは今の技術を駆使して、良いラベルを作っていきたいですね。今後のコラムでは、そのためのテクニックにも触れていきます。


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