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OBC奉行シリーズの令和5年(2023年)年末調整対応について

2023年(令和5年)年末調整対応について

令和5年(2023年)の年末調整は、前年に引き続き、年末調整申告書および源泉徴収票の様式や計算方法そのものに影響を与える論点はほとんどありません。
ここでは、OBCの給与奉行ユーザー様を念頭に、それら論点について整理し、企業ごとに異なる対応ポイントについて具体的な手立てをご案内します。

本ページは、2023年9月14日現在の情報をもとに、OBC認定販売店(OAP)である当社・ミモザ情報システムが公開しております。

このページの目次

紙の源泉徴収簿・源泉徴収票・給与支払報告書が必要な場合

当社では紙の令和5年用(令和6年1月提出用) 年末調整関連商品もお取り扱いしています。
OBC 源泉徴収票・源泉徴収簿」ページでは、年末調整関連商品の紹介だけでなく、年末調整の概要、専用サプライの変更点についても詳しく解説しています。

OBC源泉徴収票


国税庁発行の『源泉所得税の改正のあらまし』から

国税庁発行の『源泉所得税の改正のあらまし』や『令和5年版 年末調整のしかた』より、令和5年年末調整業務に影響を与えるポイントをピックアップします。

住宅ローン控除の控除率が変更されます

影響範囲:一部の対象者のみ

令和4年に控除率の引き下げ改定(1%→0.7%)がありました。
社内で令和4年中に住宅を購入した方がいれば、それ以前に購入した方との間で控除率が異なるため、年末調整の際に注意が必要です。

非居住者である扶養親族の要件見直しに係る影響

影響範囲:ごく一部の対象者のみ

令和5年1月以降、30歳以上70歳未満の方のうち下記3点に該当しない場合、扶養控除の対象となる扶養親族から除外されることになっています。

  • 留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者
  • 障害者
  • 扶養控除の適用を受けようとする居住者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者

また、障害者以外の要件に該当する場合は、確認書類(留学ビザの写しや送金関係書類等:金融機関への送金依頼書の写しなど)が必要となりますので、関係する従業員に対し、あらかじめ告知しておく必要があります。
詳しくは「国外居住親族に係る扶養控除等Q&A」(国税庁)を参照ください。

本改正に伴い、控除対象扶養親族の区分への記載を行いますが、源泉徴収票の様式変更は生じません。ソフトウェアからの印字内容で対応されます。
給与計算ソフトの更新が続きますので、引き続き保守サービスへ切れ目なく加入継続いただくようお願いいたします。

扶養控除申告書の様式変更/退職手当等を有する配偶者・扶養親族欄および寡婦又はひとり親欄の追加

影響範囲:ごく一部の対象者のみ

2023年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「住民税に関する事項」欄に、「退職手当等を有する配偶者・扶養親族」を記載する欄が追加されました。

令和5年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

住民税と所得税は所得を計算する要件が異なります。
特に扶養の範囲となる所得を計算する際、所得税では合計所得金額に退職所得を含む一方で、住民税では退職所得は含みません(通常、住民税は前年所得を元に1年遅れで課税されますが、退職所得に限っては退職金から直接計算し天引きされるため、課税処理が済んでいます。すなわち、退職所得は住民税計算から除外する必要があります)。
このため、退職金を受け取った配偶者や扶養親族がいる場合に、住民税の控除適用漏れを防止する観点から、本欄が追加されました。

ついては、2023年より、源泉控除対象配偶者や扶養親族に退職所得の支給があるかどうか、ある場合はその金額を除いた所得の見積金額がいくらになるのかを確認する必要があります。

源泉徴収票や給与明細書の電子交付に取り組みやすくなります

影響範囲:源泉徴収票の電子交付を計画している事業者様

従来、当該書面の電子交付をするにあたり、受給者に事前の承諾を得ることが必須でしたが、2023年4月に要件が緩和され、期日までに「承諾しない」旨の回答がない場合は「承諾があったこととみなして」電子交付を行って良いことになっています。
(但し、要求された際には、書面による交付が必要です。)


奉行ユーザー様の年末調整業務の電子化の進め方

令和5年は前年に続き、年末調整電子化の「チャンスイヤー」です

年々複雑さを増していく税制や、矢継ぎ早に導入されるマイナポータル連携や各種証明書の電子化を前に、紙の申告書のみで対応を続けることは、大変な労力を要します。
加えて、昨今の採用難を鑑みるに、総務経理部門についてもマンパワーの減少に見舞われ、業務生産性の向上が急務です。今後も、行政手続きや業務プロセスの電子化は進む一方ですので、なるべく早い時期に電子化に取り組み、慣れていくことをおすすめしたいと考えています。

電子化に取り組むにあたり押さえておきたいポイント

年末調整のような、複雑な作業工程が入り組んだ業務に対し、一つで年末調整の全工程を電子化するシステムは「存在しない」のが現状です。

このため、電子化にあたっては、全工程を一括して電子化しようと考えるのではなく、年末調整業務を分解し、電子化するポイントを定めることが肝要です。
自社の状況を鑑みて、年単位で段階的に進めることが、無理なく成功させる鍵です。

例年の業務手順・工程を分解する

年末調整の業務フロー

  • 1~3の、年調申告書の配布と回収を電子化するサービスは「奉行Edge 年末調整申告書クラウド」です。
  • 4~6の年末調整実務については「給与奉行」で既に電子化されています。
    4の「給与ソフトへの情報の取り込み」について「奉行Edge 年末調整申告書クラウド」を利用する場合、手入力が不要です。
  • 7の源泉徴収票の配布については「奉行Edge 給与明細電子化クラウド」で電子化できます。
  • 8~10の源泉徴収票・給与支払報告書の提出については「法定調書奉行」を導入することで電子申告を実現します。

年末調整の電子化イメージ

各工程別の電子化の効果および費用感

電子化する業務領域

年調申告書の配布と回収

源泉徴収票の配布

源泉徴収票・給与支払報告書の提出

導入システム

奉行Edge年末調整申告書クラウド

奉行Edge給与明細電子化クラウド

法定調書奉行 ※1

導入効果

コスト

594円/人・年
保守費込

792円/人・年
保守費込

91,520円
保守費別

導入までの準備期間

2~3週程度

1か月程度

2~3か月程度

影響を及ぼす範囲

全従業員

全従業員

顧問税理士、税務署、市区町村等

システム以外の事前準備事項

税務署への事前申請
↑不要に

従業員の同意が必要(ただし、回答なき場合は同意があったものとみなす)

電子申告の開始手続き、電子証明書の取得

備考

申告書類のペーパーレス化を実現。従業員とのやり取りが大幅に効率化される。

月々の給与明細書と併せて、源泉徴収票のペーパーレス化を実現します。

電子申告実施の義務化要件 ※2 を満たす場合は必須。給与支払報告書のペーパーレス化。

※1 法定調書奉行は、インストール型パッケージ版「法定調書奉行i11」を例示。「給与奉行クラウド」と組み合わせる場合は、「法定調書奉行クラウド」を導入します。

※2 電子申告実施の義務化要件は「OBC奉行シリーズにおけるe-Taxまたは光ディスク等による法定調書の提出義務化対応について」を参照ください。

この順番で電子化を進めるとスムーズです

まずは「年調申告書の配布と回収」の電子化をおすすめします。
導入コストも安く、費用対効果が高い上に、従業員様へ個別に同意書を取る必要もないため、始めやすいです。
特に、メールアドレスを収集したり、従業員の皆様にも、総務関係の手続きの電子化に慣れていただいたり、便利さを体感していただくことで、「給与明細(源泉徴収票)の配布」電子化の下地を作ることができます。

「源泉徴収票・給与支払報告書の提出」については、まずはe-Tax利用の義務化要件を満たすか否かで判断しましょう。
実際に電子申告を導入するためには、顧問税理士との連携や、役所への事前申請、電子証明書の準備などが必要なため、義務化要件を満たさないのであれば、あえて多忙な年末調整時期には行わないほうが得策です。
ただ、電子申告の環境が整うと、面倒な郵送や持参の労力を削減できるだけでなく、社会保険関係手続きの電子申請(e-Gov)導入に繋げていくこともできますので、取り組む価値は大きいです。

電子化に当たり、OBC以外のサービスを利用することの是非について

本ページでは、年末調整の各業務工程の電子化を実施するにあたって、連携させるサービスを「OBCの製品・サービス」に限定して紹介してきました。
本項では、より安価な他社製サービスを利用することの是非について検討します。

OBCの製品・サービスを利用するメリット・デメリット

(+)データの連携がスムーズ。社員情報や、各申告書への入力データを相互に無加工で取り込めるため、ミスが起きず確実。

(+)年末調整申告書サービスは、各申告書の提出状況の管理ができる。

(+)給与明細配信サービスは、明細配信の自動化ができる。

(+)いずれも、紙の運用と並行可能で、管理もしやすい。

(+)既存の給与計算ソフトと、サポート窓口や契約が一本化できる。

(-)価格が高め。

特に年末調整申告書サービスについては、リリース当初より値下げや最低利用人数が緩和されたため、同種のサービス間での差異はほとんどありませんし、むしろ安い部類です。

給与明細配信サービスに関しては、小規模のサービスも含めると乱立・飽和状態と言える状況です。実際に、安さをセールスポイントとし、奉行のデータを連携可能と謳うものも出ています(多くは正式に業務提携して連携しているのではなく、給与奉行のデータを独自に解析し揃えている)。

いずれも、OBC直営サービスの付加価値は、データ連携の確実さとスムーズさ、クラウドサービスとしての安全性や安定性、事業者としてのサービスの永続性です。

他社の製品・サービスを利用するメリット・デメリット

(+)価格が安い。

(-)データ連携はCSVのみで、加工が必要な場合も。

年末調整申告書サービスに関しては、シビアに見ても、給与奉行ユーザーがあえて他社製品を利用するメリットは乏しいです。
国税の年調ソフトとの違いについては、次項で説明します。

国税庁の「年末調整ソフト」(以下、年調ソフト)について

国税庁が無償配布する当該ソフトを用いることで、各種申告書を電子化し、自動転記や自動計算を実現します。また、マイナポータルと連携することで、保険料等の「控除額証明書」の交付を電子データとすることができる上、従来紙で提出していた証明書類の提出を省略できます。

しかしながら、奉行シリーズは「年調ソフト」に対応しません(詳細は後述します)。
このため、社員の方には「年調ソフト」を利用せず、従来通りの手順にて申告するよう案内してください。

<参考>年調ソフトを用いた申告作業の具体的な手順

  • 従業員様が、各自保険会社より封書やハガキ等の紙で受け取っていた控除証明書について、電子データで取得し、これを年調ソフトへ取り込む
  • 取り込んだ控除証明データをもとに、年調ソフト上で所得控除額を自動計算し、結果を電子データで出力できる。自動計算なので、計算ミスがなく、検算も不要
  • 出力した控除データを提出することで、手書きによる各控除等申告書の作成・提出を省略できる
  • 年末調整業務担当者は、控除データをを市販の給与計算ソフトに取り込むことで、各控除等申告書を見ながら手入力したり、チェックしたりする作業を省略できる。
    ※給与奉行は対応しません
  • 各控除等申告書や控除証明書原本の収集・保管が不要となり、業務のペーパーレス化が進展する

年調ソフトの課題と展望

年調ソフトを用いた業務フローの導入に意義は感じられるものの、現状では、以下の点から導入に向けてのハードルは、高いと言わざるを得ません。

従業員様自ら行わなければならない作業が多い

  • 控除証明書の取得にあたり、マイナポータルを利用する場合は、マイナンバーカードの取得とカードリーダー等の対応機器が必要
  • マイナポータルを利用しない場合は、自力での控除証明書データ収集作業が必要になる(保険会社ごとに手続きはまちまち)
  • 収集した控除証明データを、年調ソフトに取り込むなどの操作を自ら行う
  • 従業員様にとって、手書きの申告書作成の労力が削減できることはメリットだが、情報機器の扱いの巧拙や、マイナンバーへの理解度にも左右される

総務経理担当者様にとって、手間が減らない

  • 仮に年調ソフトの申告書データを給与計算ソフトに取り込めたとしても、正常に取り込めているか、申告内容の照合等の手間は発生するため、業務削減効果は限定的
  • 令和2年分の申告からの導入を想定すると、準備期間が短い

OBCは、給与奉行・法定調書奉行において、年調ソフトから出力されたデータの取り込みには「対応しない」と発表しました

上記懸念を踏まえ、奉行シリーズにおいて、年調ソフトから出力される申告書データへの連携対応を行いません。
ただし、年末調整の作業負荷が大きいこと、その負荷の本質は、膨大な情報の収集・集約と、複数の申告書様式やシステムへの多重入力・多重チェックにあることは、以前からの課題であることに変わりはありません。

今後、年調ソフトの課題が改善され、普及する可能性もあります。総務経理における「年末調整の電子化」は目が離せないテーマであり、引き続き注目していきましょう。


一部事業所におけるe-Taxまたは光ディスクによる提出の義務化

令和2年(2020年)以降、e-Tax又は光ディスク等による法定調書の提出義務化の基準が「1,000枚以上」から「100枚以上」へと、大幅に引き下げられました。
具体的な基準や、奉行ユーザーの対応については、下記ページにてご案内します。

一部事業所における法定調書のe-Taxまたは光ディスクによる提出の義務化について

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